◆成宮くん主演の映画「アキハバラ@DEEP」を観て来ました。

上映前にロビーをうろついていたら「鉄コン筋クリート」(松本大洋)のチラシがあったのでチェック。
クロの声が嵐の二宮くんで、シロが蒼井優ちゃんなんですねぇ。
絵の線が細いのに違和感を覚えたけど、クロシロが空を跳び回るのをアニメで見れるのは楽しそう。
12/23公開だそうで、ぜひ観に行きたいと思います。

◆さて、本題に戻ります。
「アキハバラ@DEEP」は原作を読み、ドラマの(ほんの)一部を見ました。

知らない人のためにちょっとだけ解説すると…
主人公はいわゆる「オタク」と呼ばれるちょっと変わった5人(1人は女性)。
#原作とドラマでは6人ですが、映画では5人しか出てきません
吃音癖や不潔(&女性)恐怖症といった身体的&精神的な弱点と、コンピュータやグラフィックのセンスといった特技を併せ持った彼らが、とある人生相談サイトの管理者の導きによりめぐり合い、秋葉原に会社を設立。そこでAIを用いた画期的なサーチエンジンを作ったところから、大きな事件に巻き込まれていく…というストーリーです。

(あくまで個人的な印象ですが)
原作は、AIが驚異的な進化を遂げるという歴史的大事件を描いた壮大な物語。AIがモニターの中から現実世界を見ているような視点で、6人の冒険が描かれていました。
ドラマはぐっとサイズダウンし、キャラクター一人一人や秋葉原の街にくまなくスポットを当てて、親しみやすいものになっていたように思います(ほんの少ししか見てないんだけど)。「アキハバラ」の名前が最も生きているのは、このバージョンだったかも。

そして、映画は、多少のアレンジを加えて尺を縮めながらも、原作をかなり忠実になぞっているようでした。
ストーリーの流れを見せることに主眼が置かれていて、その分、キャラクターの個性や秋葉原という場所についてはさらっと流されているような印象。ユイさんも潔く削られていましたが、良い判断だったのでは。
小説の映画化という点では、まずまずの出来なのではないでしょうか。特別凄いという感じはしませんでしたが、最後まで楽しめたし、よい作品だと思います。

(以下、原作の小説&映画のネタバレを含みます。まだの人は注意!!)

◆冒頭、秋葉原の街角の映像はきれいでした。ネオンの色がけばけばしく出ていて、日本じゃなくて香港とか別の国みたいだった。

◆ページ(ナリさん)って、ずっと膝上のショートパンツ姿なんですよ。設定では「25歳」なのに。
最近のオタクの人の間では、短パン流行ってるんでしょうか…

ナリさんの「足」って結構レアだから、正直嬉しいんだけどさ〜( ̄▽ ̄
#上はよく脱いでくれるけど、足はあまり出さないんです、ナリさん

ちなみにこの映画、成様、忍成修吾くん三浦春馬くんと3人の美青年のおみ足が拝見できますよ。ひざ&足ふぇちな貴女には非常にお勧めです!
そうそう、あと一人、荒川良々さんの短パン姿も見れますので。

この映画でのナリさんは、すっきり短い髪のせいか、おひざのせいか(こだわるな)、ちょっぴり幼い雰囲気で、かわいいっ!!
ページは重度の吃音癖があるという、ちょっと大変な設定。
ドラマ版(風間俊介君)では「どどどどどどうしたの」みたいなしゃべり方でしたが、映画版では、「…っ、…っ、…っ、どっ!」みたいに、なかなか言葉が出てこなくて、ようやく頭文字だけ発音すると仲間が「ああ、あれのことね」と察してくれる、という感じ。
声を出して話すのはうまくないけれど、グループの調整役としてうまくみんなをまとめていく良きリーダー。穏やかで、思慮深くて、話が通じた時にニコッと笑うのが可愛くって
秋葉原のパーツショップで遠阪(萩原聖人さん)と会うシーンのアップが特に可愛くて、印象的でした。

ページに関して、一つだけ残念だったのは!!
原作で一番好きなシーンの演出が変わってしまっていたことです(;_;
原作を読んでいる時、個人的には、ページとタイコがデジキャピ社長に拉致されるシーンがクライマックスで。

(この下の数行は原作ネタバレですので、今から読む人は見ないでくださいね)

強力な自白剤を打たれて「デジキャピ本社襲撃計画」をしゃべってしまいそうになった時、タイコは光刺激によってわざと発作(全身の硬直と意識障害)を起こして、自分がしゃべれないようにするんですよね。
そしてページは、いじめられた過去を思い出し、吃音をもっとひどくさせることで、自分の言葉を天然の暗号にしてしまうのです。何をしゃべろうが、もう誰にも理解することはできないの。
今までこのせいで辛い目にあってきたはずなのに、その弱点を武器に変えて「ざまあみろ!」と笑える強さ。
その後のデジキャピ襲撃はありがちといえばありがちだけど、このシーンだけは「アキハバラ@DEEP」でしかできないものなので、ぜひとも忠実に映像化して欲しかったのです。
が、映画を見たら、いじめられた過去がフラッシュバックしていたけど、ページは激しく笑いながら「お前らに、話すことは、何もない!」と叫ぶだけだったので… 何が起きたのか分かりにくかったんじゃないかな。すっごく感動的なシーンだったのに、残念です〜(><

(以上、原作に関するネタバレ終わりです)

もしかして、このシーンの代わりが、デジキャピ社長主催のパーティでのシーンだったのかな。
招待客の前で勝手にデジキャピとアキハバラ@DEEPとの提携を発表された時、ページがそれを断るところです。
大勢の人間の前でマイクを渡されて、案の定盛大にどもりまくって、それでもくじけずにしゃべり通したページ(;; かっこよかった…

◆アキラ(山田優ちゃん)、良かったなあ。
背が高くて完璧なスタイル。やっぱりアキラはこのぐらい美しくないとイヤだわ!(山田優ちゃんのルックス、大好きなのです)
メイド服姿も素敵。勤務先のメイド喫茶はダンサーの質高いし、あんなショウを見せてくれるメイド喫茶があるんだったら、わたしが遊びに行きたいわい。と思いました。

アクションでは一切スタントを使っていないそうで、素晴らしい。格闘家という設定なので練習や試合風景もあり、ダンスの経験があるからか、様になっていました。ミドルキック&ハイキックを連続するのは結構難しいと思うんだけど、きれいに決めていたしね。
キャットファイトのシーンも良かったです!攻撃が軽そうなのはしょうがないとしても、特に渡会(寺島しのぶさん)との試合は迫力あって面白かった。もっと長く見たかったです〜。
ちなみに渡会はブラジリアン柔術の達人という設定でしたが、どこがブラジリアン柔術なのかよく分からなかった…

幼い頃に虐待を受け、それが元で傷害事件を起こしていたという設定は、映画版オリジナルだと思います。原作では他のキャラに比べてアキラがそれほど問題を抱えているように見えず、なぜ人生相談サイトの常連だったのかという理由が薄かったので、説得力が増したのでは。
同じく映画版オリジナルで、アキラの過去を調べさせた中込社長が渡会に「君と良く似た境遇じゃないか」と笑いながら言うシーンがあります。これも、社長の人間性や、渡会がひそかにアキラに共感を持ったことを表すうまい演出だと。

◆ボックス(忍成修吾くん)も良かった♪
彼、ちょっとひねくれた若者をやらせるとぴったりはまりますねぇ。(「夜王」のホスト・光みたいに)
いつもイヤミばっかり言って素直になれないボックスが「ふざけんな…ふざけんな」「もう一人は嫌だよ、置いていくなよ」と本音を叫ぶところはじーんと来ました(;ー;
映画版では、ボックスのグラフィック、タイコのサウンドといった特技が全然フィーチャーされてなかったのは残念ですね。

◆イズムは… 何しろあの服装が。ぴかぴかのシルバーの全身タイツにヘルメット…(紫外線に極度に弱いため、ラミネート素材の服を着なければ外出できない)
なのに、それほどイタくないのが凄かったです。あれを着こなせる人間はそうそういないぜー。

これも、さらりと流す映画版の悔しさですが、デジキャピ社に襲われて、真昼間の野原にパンツ一丁で転がされた後どうなったかがすごく気になります。全身火傷みたいになったんじゃないかと思うんだけど… 1ヶ月後、何も影響が残ってないようだったので。

◆中込社長はとにかく怖かったです。
ドラマ版の北村一輝社長はどことなくユーモラスな面が残っていたのに対して、佐々木蔵之介社長は完全にあっちに行っちゃってました。
ほんと、今、一番怖い役者さんって佐々木蔵之介氏だと思う。
「Mの悲劇」で個人的に暗黒皇帝と呼んでいましたが… 健在でした。

参考記事:ミーハーぼんやり生活「Mの悲劇:第八話」


テレビ版ではアニメ大好きなちょっとだけイカれたお兄ちゃんでしたけど、映画版では原作の通りの悪趣味ぶりが描かれていて、空恐ろしかった。あのバイトの子、一人二人どこかに埋められてるんじゃないかという気もしてきます。佐々木氏が演じるとシャレにならないです。

◆遠阪氏の設定にはちょっとびっくりしました。
なるほど、そう来るか…と。
ということは、会議に遅刻した原因は、あれはまさか… (((((((*ノノ)キャー!

◆ラスト、中込社長から剥ぎ取ったヅラを高々と掲げるページにはちょっと笑いました、が、あれでいいのかなあ(^^;
#人のコンプレックス暴いちゃいかんよ、なんて道徳的なこと言ってみたり
あの後警察に捕まることになったのか、中込社長は失脚したのか、その後の話が全く分かりませんが、まぁ、きっとみんな力強く生きていったのだろうなと思わせる雰囲気は漂っていたので。あれでいいんでしょうね。

◆舞台に引き続き長文の感想、読んでくれた皆様おつかれさまでした。
怒涛のナリさんウイーク、まだまだ続きます…